積木崩し
雨のそぼ降る札幌。
事務所に出向いた私は、ゴミ捨てなど一連の雑用をこなす。
雑用も用である。
前日に投函し忘れたハガキの束を、道路を挟んで向かいのポストに投函しに行く。
午前中はベタ焼きの整理。
デジタルだからベタ焼きというのは正しくないが、サムネイルを印刷した用紙と撮影者や処理状態等の情報が書き記してある記録票との照合と合併の作業である。
途中、データの入ったCDの紛失があるとかないとか言って事務所総揚げで事務所内を捜索する。
結局、社長の書類タワー(笑)のなかに紛れていた。
午後からネガの整理。
不要なネガをスリーブから抜いて、必要なネガの入った部分のみ切り取るという単純作業。
あまりにうずたかく積まれたネガ袋を見てため息を一つ。
そうしたらTさんが「ヲタ倉君にはどんな仕事を頼んだら満足してくれるんだろうねぇ」と悪態をついた。
黙っていたら「ヲタ倉君は「空気読めないんですよね、アイツ」ってK先生も言っていたからねぇ」と。
まず、なぜK先生の話がここで出てくるのか疑問に思った。ましてや信頼するK先生がそういう発言をすることは、(雑談であっても)あり得ないと思っていたのだから、こちらは何を言えばいいのか、とっさには判らかった。
別にTさんに「空気が読めない男」と思われても構わない。
それならそれで、自分の言葉として責任を持って発していただきたい。
他人の口で語らないでほしい。そもそも、そんな内輪での悪口(?)なんてのは、墓場まで持って行くべきだろう。
本当にK先生がそのように発言したか―
Tさんに確認すれば「間違いない」と言うではないか。
コレは、すわ一大事。
K先生に絶縁状、三くだり半を突きつけることになるのか―
Tさんは7時になると「私用で出かける」と言い残し、事務所を出て行った。
残されたのは、私とYさんのみ。
Yさんと大身の上相談会が開かれる。
私の身の上についての相談や、人間の本質についてなどの「濃いめ」のトークは、社長が帰ってくるまで続いた。
そして、帰ってきた社長とのお話し合い。
とりあえず、Tさんの発言がきっかけでやめる決心が付いてしまったので、社長には放送業に専念したい旨と、今月末(正確には11月2日まで)で事務所を去りたいと告げた。
社長は、内容に同意し、そして人生について、まるで金八先生のように語り始めた。
長くなりそうであったので、「はい、はい、なるほど」と受け流して、たいした説教には至らなかった。
これもYさんの事前アドバイスのおかげである。
事務所を出て、車を走らせ家に着いたが、Tさんの「K先生の発言について」の発言が信じられない。
居ても立ってもいられず、K先生の勤務先に向かう。
仕事中のK先生を喫煙室に誘い、問いただす。
K先生は、「そういう事実はない」と宣う。
もし言っていたとしても「ない」とは言うのであろうが、K先生とのつきあいはかれこれ7年にもなろうとしているのだから、やはり、直接聞いたその言葉を信頼するしかないだろう。
逆にK先生が、なぜ俺が引き合いに出されなきゃならんのか、と落ち込んでいた。
Tさんは「信頼と信頼の紐帯を乱す」という、人倫にもとる行為をやってのけてくれたのだった。
ついでに言えば、クライアントを怒らせたことになる。
もっともK先生が真実を話しているという100%の保証はないのではあるが、7年の歳月をかけて積み上げられた信頼関係を、まさに信ずるしかないのだ。
人の口に戸は立てられない。
悪事千里を走る、と言うではないか。
これからどうなるのかは、神のみぞが知る。
事務所に出向いた私は、ゴミ捨てなど一連の雑用をこなす。
雑用も用である。
前日に投函し忘れたハガキの束を、道路を挟んで向かいのポストに投函しに行く。
午前中はベタ焼きの整理。
デジタルだからベタ焼きというのは正しくないが、サムネイルを印刷した用紙と撮影者や処理状態等の情報が書き記してある記録票との照合と合併の作業である。
途中、データの入ったCDの紛失があるとかないとか言って事務所総揚げで事務所内を捜索する。
結局、社長の書類タワー(笑)のなかに紛れていた。
午後からネガの整理。
不要なネガをスリーブから抜いて、必要なネガの入った部分のみ切り取るという単純作業。
あまりにうずたかく積まれたネガ袋を見てため息を一つ。
そうしたらTさんが「ヲタ倉君にはどんな仕事を頼んだら満足してくれるんだろうねぇ」と悪態をついた。
黙っていたら「ヲタ倉君は「空気読めないんですよね、アイツ」ってK先生も言っていたからねぇ」と。
まず、なぜK先生の話がここで出てくるのか疑問に思った。ましてや信頼するK先生がそういう発言をすることは、(雑談であっても)あり得ないと思っていたのだから、こちらは何を言えばいいのか、とっさには判らかった。
別にTさんに「空気が読めない男」と思われても構わない。
それならそれで、自分の言葉として責任を持って発していただきたい。
他人の口で語らないでほしい。そもそも、そんな内輪での悪口(?)なんてのは、墓場まで持って行くべきだろう。
本当にK先生がそのように発言したか―
Tさんに確認すれば「間違いない」と言うではないか。
コレは、すわ一大事。
K先生に絶縁状、三くだり半を突きつけることになるのか―
Tさんは7時になると「私用で出かける」と言い残し、事務所を出て行った。
残されたのは、私とYさんのみ。
Yさんと大身の上相談会が開かれる。
私の身の上についての相談や、人間の本質についてなどの「濃いめ」のトークは、社長が帰ってくるまで続いた。
そして、帰ってきた社長とのお話し合い。
とりあえず、Tさんの発言がきっかけでやめる決心が付いてしまったので、社長には放送業に専念したい旨と、今月末(正確には11月2日まで)で事務所を去りたいと告げた。
社長は、内容に同意し、そして人生について、まるで金八先生のように語り始めた。
長くなりそうであったので、「はい、はい、なるほど」と受け流して、たいした説教には至らなかった。
これもYさんの事前アドバイスのおかげである。
事務所を出て、車を走らせ家に着いたが、Tさんの「K先生の発言について」の発言が信じられない。
居ても立ってもいられず、K先生の勤務先に向かう。
仕事中のK先生を喫煙室に誘い、問いただす。
K先生は、「そういう事実はない」と宣う。
もし言っていたとしても「ない」とは言うのであろうが、K先生とのつきあいはかれこれ7年にもなろうとしているのだから、やはり、直接聞いたその言葉を信頼するしかないだろう。
逆にK先生が、なぜ俺が引き合いに出されなきゃならんのか、と落ち込んでいた。
Tさんは「信頼と信頼の紐帯を乱す」という、人倫にもとる行為をやってのけてくれたのだった。
ついでに言えば、クライアントを怒らせたことになる。
もっともK先生が真実を話しているという100%の保証はないのではあるが、7年の歳月をかけて積み上げられた信頼関係を、まさに信ずるしかないのだ。
人の口に戸は立てられない。
悪事千里を走る、と言うではないか。
これからどうなるのかは、神のみぞが知る。
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